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コンプレッサブロックは、本開発の研究の場合、陸上の試験設備である故高圧ガス製造装置とみなされ、高圧ガス取締規則が適用されたため、ブロックの肉厚も計画より大きくなるとともに、従来鋳物であったのが鋳物を使用できず、鍛綱品を機械加工せざるを得なくなり、ブロック内を貫通する穴が曲穴とできず抵抗が大きくなる等、全体システム試験の結果でエンジン効率が目標を下廻る結果ともなった。なお、実船に搭載する場合には、舶用となり高圧ガメ取締規則が除外されるため、前述の問題は解消される。
ヒータについては、燃焼室内の伝熱解析計算を行い仕様を決定した。その結果、ヒータは伝熱面積を確保するためにフィン形状をスパイラル形とし、管材質には耐熱性の高いハステロイXを用いた。
(高圧燃焼技術)
高圧燃焼技術の確立のためには、5〜7MPaという高圧下で燃料を燃焼させる必要がある。高圧燃焼器における問題点として、燃焼時には燃料と酸素の拡散速度が小さくなり燃焼が悪化する点がある。また、横置型燃焼器としたことにより、熱浮力の影響が強く出るためヒータチューブの上下に大きな温度差を生じ燃料の投入量が制限されたり熱効率が大幅に悪化する点がある。
燃焼器を立置きとした場合も、燃焼器の長手方向上下に温度差が生じる可能性がある。
これらの対策として、燃料排ガスを燃料器に再循環させる方式(CGR)を導入し、CGR比3(排気として棄てる分を1としたとき、燃焼器に再循環される割合を3とする)を実現、また導入するCGR全量をバーナ部に設けたスワラーにより旋回流を形成させて買出、一次燃焼室の先端部には多噴孔(36孔)をもつガス買出筒を形成させ、噴出した高温燃料ガスがヒータ内側で持続性のある旋回流を形成する燃料室を採用した。さらに、燃焼室からヒータチューブを経由してO2+CGR予熱器に入る際、4ヶ所の予熱器入口を温度の低い下部に設置することにより、燃焼器内に対流を発生させ上下ヒータの温度差を小さくする対策を施した。
こうした対策検討を行い高圧燃焼試験を実施し、排出CO濃度が100ppm以下、上下のヒータ部の吸熱量比(下/上)が目標とする80%以上を溝足する結果を得た。また、動力源の運用から考えてエンジンを停止後、再着火することを想定し、圧力0〜7MPaにおける再着火条件を明白とした。
本要素試験では、全体システム試験を念頭に入れ低温の模擬ヒータを使用して圧力変

 

 

 

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